普通の生活をしていた人が、突如入院。そして半年後に、無事退院。しかし、その身体に障害が残ったまま。そのような状況を想像した時、皆様は何を感じますしょうか?

物理的な不自由については、バリアフリー化が進んでいます。駅のトイレや坂道の手すりの設置などです。

でも、もう1つ大事な視点はあります。それは心のバリアフリーです。つまり障害を持った方と自然に関われることです。

しかし「自然に関わる」とはどういうことなんでしょうか?今回は、障害を持った方とプログラミングカフェを開いている林さんに話を伺ってきました。

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林 園子 さん

作業療法士 プログラミングカフェ主催者

リハビリテーションの仕事に従事。その傍ら、障害を持った方や子供が、気軽に交流しあえる「週末プログラミングカフェ」を開催し、街角からのノーマライゼーションを実践している。

 

ー普段はどのようなお仕事をしているのですか?

作業療法士というリハビリの資格を取得後、総合病院やデイサービス、訪問リハビリなど合わせて20年程勤めてきました。

基本的には、障害を持った方や高齢者の方にリハビリの仕事が中心で、その経過で、出産・子育てを経験しました。

 

ー医療や介護の業界で仕事されてきたのですね。プログラミングはどうやって勉強をされたのですか?

今後の仕事も見据え、何かできないかと考えていまして。まずは手始めにWebショップを開いたんです。

でももっとカスタマイズ出来たら楽しいなと思って、2年間、週末にプログラミング教室に通って、Webスキルを身につけたんです。

 

ーそうだったんですね。それから、そのWebスキルはどうやって生かされたですか?

私が訪問リハビリで関わっている方の中に、50代の脳出血の後遺症を持った男性がいたんです。外出することは少なく、車椅子で生活をされていました。

そこで、その方をお誘いして、私の子供たちや知り合いの親子に集まってもらい、近所のカフェでスクラッチのイベントを開いたのです。スクラッチというのは、ブロックを組み合わせるようにして使える簡単なプログラミンのソフトウェアです。例えば、これでアニメーションを作ったり、ゲームを作ったりすることができます。

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スクラッチのPC画面

ーなるほど。でもお子さんは、その方と上手に交流できたのですか?

最初はお互い全く慣れてなかったです。息子は特に障害を持った方と関わったことがなかったので、怖がるような表情をしていました。それでも回を重ねるごとに自然な会話が生まれてきたのです。

どうしてかと言いますと、それは「共通の楽しいこと」を媒介しているからなんです。

お互いのことはよく知らなくても、共通の学びの場があり、同じ空間で楽しんでいるうちに、案を出したり、褒めあったりできるのです。そうすると相手の事が分かってきて、自然なコミュニケーションが生まれるのです。

 

ー共通の学ぶ場が、自然なコミュニケーションを生むという事ですね。お子さんにとっても良い経験になりますね。

そうですね。障害を持った方と触れ合う際に、偏見を持たず、個性や自由を尊重できる子に育ってほしいです。

そして、この体験を通じて、もっとプログラミングを通じたコミュニケーションを地域でやっていきたい!と思ったのです。

 

ーそれが林さんの開催している「プログラミングカフェおとなとこどもと」になるのですね?

そうです。一般のお客さんもいる近所のカフェの一角で、1年半ほど続けてきました。

スクラッチは簡単に出来るので、1回参加すれば大まかな使い方が分かります。2回目からは多くの人がテーマに沿った作品が作れるようになります。先ほどの車椅子の方も、毎回参加されますよ。

作品はスクラッチのサイトからネットにアップします。スクラッチのサイトでは世界中のユーザーと繋がっているので、海外の方からも作品にコメントが来ることもあります。これからは、カフェに集まる人同士だけではなく、ウェブ上でのコミュニケーションのマナーや英語での返信の仕方なども伝えていきたいと思います。

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ー地域密着であり、かつ世界中の人たちとのコミュニケーションに発展していくのですね、素晴らしいですね!今後はどのように考えておられますか?

カフェに来れない方でも、オンラインで参加できる形にしていきたいですね。 そして障害を持った方も、そうでない方も、子供から大人まで、自由な自己表現の場の1つになればと思っています。そんなノーマライゼーションを広げていく一役を担っていきたいと思っています。

一緒に活動できる仲間も増やしたいです。スキルがあれば自己表現の幅も広がるので、個別のスキルアップのサポートもしていきたいと思います。

林さんにScratchを教えてもらおう!

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